18次ものづくり補助金が公募開始!公募要領の変更点・注意点とは?
1月31日(水)に、18次ものづくり補助金の公募要領が公開されました。応募締め切りは3月27日(水)の17:00です。
すでに17次ものづくり補助金が3月1日(金)締切で受付中となっていますので、現在、2つの締切回が併存している形になります。
11月頃の政府の発表によると、「2024年のものづくり補助金の公募は2回」とされており、今後補正予算等で追加になる可能性はありますが、現時点では不透明なため18次が今年最後のもの補助となる可能性も否定できません。
また、17次・18次ともに、補助事業実施期限は2024年12月10日であり、それまでに「発注・納品・支払・実績報告」をすべて終える必要があります。交付申請に係る時間を考慮すると、補助事業の実施期間は実質4~6か月程度しかないと想定され、非常にタイトなスケジュールとなります。
17次はロボットやセンサーなどのシステム導入による省力化がテーマの「省力化(オーダーメイド)枠」のみの募集であったため、これまでのものづくり補助金の要件と異なる部分も多く、18次の発表を心待ちにされていた方も多いのではないでしょうか。
そんなお待ちかねの18次もの補助ですが、公募要領を見ると、16次の通常枠等の内容に比べ変更点が多いことが分かり、注意が必要です。
令和5年度補正予算・ものづくり補助金の概要
令和5年度補正予算によるものづくり補助金の補助対象事業は、以下の枠・類型に分類されています。
このうち、17次は「省力化(オーダーメイド)枠」のみの募集であり、18次はすべての枠と類型の募集があります。
なお、17次に応募した場合は18次に応募できませんので、補助事業の実施スケジュールに合わせどちらに応募するかを慎重に決定しましょう。
(18次ものづくり補助金公募要領より作成)
18次ものづくり補助金の主な変更点
新製品・サービスの売上要件が追加
16次以前のものづくり補助金の目的は「革新的な製品・サービス開発又は生産プロセス・サービス提供方法の改善に必要な設備・システム投資等を支援すること」でしたが、18次の製品・サービス高付加価値枠からは「生産プロセス・サービス提供方法の改善」が消え、「革新的な製品・サービス開発の取組みに必要な設備・システム投資等を支援する」のみの記載となっています。
同時に、通常類型・成長分野進出類型(DX・GX)の共通要件として、「3~5年の事業計画期間内に、新製品・サービスの売上高の合計額が、企業全体の売上高の10%以上となる事業計画を策定すること」が追加され、「新製品・サービスの開発を伴わないものは認めない」ことが明記されています。
賃上げ加点要件未達の場合の厳罰化
賃上げ加点の達成に関してはこれまで努力目標でしたが、17次以降は、それが事業化状況報告で未達の場合は、「判明した時点から18か月間、中小企業庁系の他の補助金(※)も含めた審査において大幅な減点を行う」という内容が追加されました。
※ものづくり・商業・サービス生産性向上促進事業、サービス等生産性向上IT導入支援事業、小規模事業者持続化補助金、事業承継・引継ぎ補助金、成長型中小企業等研究開発支援事業(Go-Tech事業)、事業再構築補助金(中小企業省力化投資補助事業を含む)
GX枠の要件が大幅に変更
グリーン枠での要件は「温室効果ガスの排出削減に資する革新的な製品・サービスの開発」「炭素生産性向上を伴う生産プロセス・サービス提供方法の改善による生産性向上」といった、比較的広い範囲の事業が対象と考えられましたが、GX枠では「グリーン成長戦略『実行計画』14分野に掲げられた課題の解決に資する革新的な製品・サービスの開発であること」とされ、対象分野がかなり限定的となっています。
その他の注意点
さらには、計画書の作成や申請作業において外部の事業者に丸投げして主体性がないと思われるような事業者や、それを助長するようなコンサルタントに対し、事業者名の公表や以降の補助金への応募制限など、厳罰化の傾向が見て取れます。
事業計画の作成は、補助金申請のためだけではなく、自社の事業の方向性や戦略を見つめ直す上でも非常に有効な取り組みです。外部のコンサルタントの力を借りることで、より良い戦略立案や、審査員に伝わりやすい表現に計画書を磨くことは非常に有効ですので、一緒に計画書作成に取り組んでくれる良質なコンサルタントを選んで準備を進めていきましょう。
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